『子どもがいてもFIREを達成する方法!』
みたいなの、よく聞きますよね。
実際に子育てをしながらFIREを目指している方や、すでに達成している方もいらっしゃるようです。
子どもが完全に独立してからFIRE、早期リタイアをするのであれば分かります。
ですがまだ小学生くらいの子どもがいるうちにFIREしようってのは、色々と難しい場面もあるだろうなぁと個人的には思います。
定職を持たない父親の姿
FIREの定義にも色々ありますが、ここでは分かりやすく会社勤めを辞めて安定的な収入はないが、好きな仕事やバイトでたまに不定期収入があるくらいの、サイドFIREに近い状態としましょうか。
僕が小学校高学年~中学生くらいの息子だったら、
いや働けよ
って思うでしょうね。
いくら父親が「いや、うちは資産運用で収入を得ているんだうんぬん」「自由な人生を~うんぬん」「お前もマネーリテラシーを高めて~うんぬん」とか説明されたとしても
御託はいいから働けよ
って思うでしょうねシンプルに。
あとキツイな~と思うのが、小学生ってパパのお仕事の話を友達とする場面があるじゃないですか。
友達1「ぼくのおとうさんはね~おまわりさんなんだ!」「わるいひとをつかまえるんだ!」
友達2「わたしのぱぱは~、おいしゃさん!びょうきをなおすんだよ~」
友達1・2「たけしくんのおとうさんは??」
僕「…ソーシャルメディアインフルエンサー」
友達1・2「え?」
僕「ソーシャルメディアインフルエンサー。マネーリテラシーを高め、自由な人生を獲得するための情報を毎日Twitterで呟いているんだ」
友達1・2(何言ってんだコイツ)
みたいになるじゃないですか~!んもぅ~!
こういう父親に育てられた子どもって、労働に対してどういう考えを持つようになるんでしょうね?
そりゃ資産運用もマネーリテラシーも大事でしょうけど、その基となる資金はやっぱり最初は労働から得られるわけで。嫌なことにだって耐えて労働に汗する必要がある。
でもFIREした家庭の子どもたちは、仕事に精を出し汗水垂らして家族を守る父親の背中はほとんど見ないで育っているわけで、そんな父親に労働の尊さを説かれたところで素直に受け入れられる子どもがいますかね。
「家族の時間を大切にしたい」?
子持ちFIREを目指す、もしくは達成した人がよく言っていますよね。
「子どもの成長は一瞬です。家族と過ごす時間を大切にしたいんです」
これ。
そう思ってるのはアナタだけじゃないですか?って話で、僕が子どもだったら「いや僕と一緒にいるよりも稼いできてください」って100%思います。
確かに、幼稚園児とか、小学生低学年だったらパパと一緒に遊びたいって気持ちもあるでしょう。
でもそんな時期は一瞬で、ある程度の年齢になったら親と一緒になんていたくなくなるし、それが普通だと思います。
子どもの成長は一瞬ですからね。
娘「ねぇお父さん!明日の放課後マリとさっちゃん遊びに来るからさぁ!お父さんどっか出かけててよね!!」
たけし「…ん…?おぉ…」
娘「もお~お母さん!なんでお父さんいっつも家にいるの!?」
妻「そんなこと言わないの!お父さん、あなたとの時間を大切にするために仕事を辞めてソーシャルメディアインフルエンサーになったんだから」
娘「はぁ?意味わかんないし!」
たけし「……」
つらい涙
子供が親の偉大さを理解できるのなんて自分が社会人になって働き始めてからなんですから、子供が独立するまでは大人しく仕事して、FIREはそれからでもいいんじゃないっすかね。
親が自分の早期退職の理由に子供や家族を使って正当化を図るのは、なんというか不健全な気がするんです。
子どもと向き合う時間を大切にしたい、とかもよく聞くんですけど、じゃあ向き合った結果息子が切実に「父さん、頼むから仕事してくれよ。頼む。」と働いていない父親に対するこれまでの思いの丈を吐露してきたら働くんですかね?
子どもの可能性を潰す可能性はないか
最近Yahoo!ニュースで、3人のお子さんを持ちながらFIREを達成された方のインタビューを読みました。
気になる学費については「子ども1人あたり1,000万円を準備しています」とのことでした。ちょっと心許ないですよね…。
小学校~中学校は公立で、学費の支出は最小限に。とのこと。
これ、子どもとの時間を大切にして真剣に向き合ったうえで
「父さん、僕は医学の道に進みたい。これが自分の生きる道と決めた。医学を極め多くの人命を救うことで我が人生を完遂する」
とか訴えられたら学費どうするのか非常に興味があります。
いや医学部は俺のFIRE計画に入ってないんで勘弁してくれよ~とは言えないですよね…。
医学部に入学できたとしても
「父さん、すまん留年した。もう1年おかわり頼む」
って可能性だってあるし、他の兄妹だって医学部を希望するかもしれないし。
塾にも通わせない方針だそうですが、子どもが自分の目標のために通いたいと訴えても頑として許さないのでしょうか。
その結果思うように学力が伸びず目標が達成できなかったとしても、それは子どもの努力不足なの?
小学校~中学校は公立って話ですけど、公立の学校で子どもがいじめにあって私立への転校を余儀なくされる事態が発生したら?
うーん…。
親が病気で働けないとか、一生懸命に働いているけど低賃金で私立に通わせられない、とかだったら子どもとしても理解できるでしょう。
でも
私立もいくな、塾もいくな。なぜなら俺がFIREしてるから。
ってあんまりじゃないですか。
いくら『自分で学習できる体質に育てるのが大事』とかそれっぽい親の理屈を押し付けられても、僕が子どもだったら納得できない。
「親がちゃんと働いていて、塾にも通わせてもらえたら僕の人生変わってたかもしれない」
そんな感情をずっと持ち続けるかもしれません。
子持ちFIREを目指す方々は、どうも子どもは自分の思った通りに育つと思っている人が多いように感じてなりません。
僕には無理なんでDINKsで早期退職を目指します!
ハチャメチャ上から目線で親になったんならしっかりしろよ!的なことを書いてきましたが、
僕には子育てとか無理ですすみません。
僕は新卒で働き始めたころから、将来子どもの人生を背負って働き続ける自信も覚悟も0でした。今でも変わっていません。
初めから自分には無理だという絶対的な自信があったので、妻と結婚する際も子どもは作らないというコンセンサスを事前にとっておきました。
自分が肉体的にも精神的にも脆いことを十分自覚していたんですね。
親の勝手で子どもを作ってから「あーやっぱ仕事続けんの無理ですわ」となって子どもに苦労を掛けるのは死んでも嫌でした。
そういう思いもあってか、まだ小さい子どもがいるのにFIREを目指す人たちの話を聞くと、親のエゴを子どもに押し付けているように感じてしまう部分があるのです。
クソ雑魚がすみません。
別に子どもがいたらFIREしてはいけないとは思っていません。
ただ、せめて子ども達が独立するまでは働く親の背中を見せてあげて欲しいなぁと思うのであります。
本当は結婚をする覚悟もなかったんだけど、「いざとなったら私一人でも働くから大丈夫。子ども作らないなら余裕」と言ってくれた奥さんやっぱりカッコイイ