6年間愛用してきた僕の腕時計、相棒とも言える存在がこちら。
グランドセイコーSBGA011
セイコー独自の機構「スプリングドライブ」を搭載したマスターショップ限定モデルです。
購入価格は約60万円。
購入した当時は
「自分がおじいちゃんになっても使い続けるんだ!」「こいつは一生モノだぜぇ!」
と息巻いていたものですが、
この度このグランドセイコーを手放すことに決めました。
購入した経緯
購入したのは30歳のとき。30歳の記念にちょっと良い腕時計が欲しくなったのです。
当時大手不動産会社で働いていた僕は収入もそこそこ高く、
正直イキっていました。
だけどイキった不動産業者がロレックスとか、オメガとか、パネライとか、フランクミュラーとか、そういった類の腕時計を着けていたら「いかにも」な感じがするじゃないですか?
土地転がしてますが何か?みたいな。
そこでそのイキったオーラを抑え込み、真面目で誠実な印象を与えてくれる腕時計は何かと考えたときに真っ先に思いついたのがこのMADE IN JAPAN、セイコーのハイエンドモデル「グランドセイコー」だったわけです。
- 研ぎ澄まされた日本刀のような針
- 美しい青焼きの秒針
- 踏み固められた北アルプスの雪原をイメージした純白のフェイス
- スプリングドライブが織りなす滑らかなスイープ運針
- グランドセイコーの生まれ故郷である信州の山々を想起させるシースルーバック
特にスプリングドライブ特有の滑るようなスイープ運針で、美しい青焼きの秒針が流れる様は本当に惚れ惚れします。
まるで信州の雪原を滑空する白鳥のよう。
音もなく滑りゆく秒針を眺めていると、時は「刻む」ものではなく「流れる」ものだということを感じさせてくれます。
写真じゃ伝わりにくいかもしれませんが、純白のフェイスは少しデコボコした和紙のような質感で、これがまた美しいんですよ。
それでも手放す理由
維持費が高い
本当に大好きな腕時計で、できることならずっと所有していたいです。
それでも手放す理由、それは
維持費(オーバーホール料金)が高いからです…。
グランドセイコーに限らず、高級腕時計は3~5年に一度の定期的なオーバーホール(分解掃除)が必要とされます。
スプリングドライブの場合、1回のオーバーホールに大体5~6万円くらいかかります…。
いや高いでしょ…。
そりゃ買う時から分かっていましたよ?維持費が高いことくらい。
でもね、環境って変わるんですよ。
あれから転職して年収も下がったし、しかもこれからセミリタイアしようとしているんですよ!?
セミリタイアして更に収入が下がったら腕時計の維持費にそんなお金かけられないですよ。
高級腕時計、買うだけなら誰でもできる。
維持できないなら持つな。
高級腕時計を着ける意味がなくなった
僕が不動産業界にいた時はやはり人と会う仕事なので、何だかんだ腕時計って見られるんですよ。
腕時計から伝わってくるその人のイメージってやっぱりあるわけで。
お互いの腕時計をネタに話が盛り上がって商談がスムーズに進むなんてこともありますし。
でもセミリタイアしたら今後はそんな機会もなくなると思っています。
というか今の職場でもそんな機会ないです。
基本的に事務所に閉じこもって事務仕事ばかりしているので…外部の人と会う機会が滅多にないんですよね。
グランドセイコーの売却をセミリタイアへの決意表明とします!
自己満足のコレクションとして所有し続ける選択肢もあったけれど、どうせなら売却してちゃんとオーバーホールしてくれる他の誰かの手に渡った方が腕時計も幸せだろうと思い、売却を決心しました。
ロレックスなどと違ってリセールバリューが高い腕時計ではないのですが、投資資金の足しにはなるでしょう。
実際に売却できたらまた報告したいと思います。
「本気でセミリタイアを目指すぞ!」という決意表明の意味を込めた、涙の決別であります!
この腕時計が好きすぎて、転職活動のときにセイコーウオッチ(株)も受けたんだよ。
転職エージェントに「今回100人以上が面接を申し込んだけどまだ誰も一次面接も通らない」って聞かされて(まぁ記念受験だなぁ)と思って面接に臨んだんだけど、このグランドセイコーの魅力についてひたすら熱く語ったら一次面接通ったんだ。これ自慢だよ。