セミリタイアやFIREを目指す方の著書やブログを読むと、「日頃の支出を極力減らして証券口座への入金力を高める」ことが是とされていることが多いように思います。
「支出の最適化」と表現されている方もいますよね。
欲しがりません勝つ(セミリタイア)までは
ってね。
まぁ実際はセミリタイアして収入が減ってからのほうが、さらに倹約が必要になってくると思うのですが…。
セミリタイアを目指すからこそ、やりたいことをやっておきたい
じゃあなんですか、セミリタイアするまで倹約節約して過ごし、セミリタイアしてからもずっと倹約生活を続けるってことになるんですか?
きつー
セミリタイアを目指す方々の多くは「お金なんてかけなくても、穏やかに過ごせればそれが一番さ」というような方が多いのかもしれませんが、僕はどちらかというと
安定した収入があるうちに、やりたいことをやりきってからセミリタイアしたい
という考え方をしています。
例えば3年後にセミリタイアするとしたら、これからの3年間が人生で一番お金を持っている期間になる可能性があるということですよね。
資産運用がうまくいってセミリタイア後にさらに資産額が増える可能性も十分にありますが、安定した収入がない状態で気兼ねなくその収益を使うことができるでしょうか。
僕はたぶんできません。
セミリタイア以前に出来なかったお金の使い方は、セミリタイア後も恐らく一生できない
そう思っています。
今のうちに「経験」にお金を使う
『モノよりコト消費』なんて最近では言いますが、まさに僕は今のうちに「体験」や「経験」にお金を使っておきたいと思っています。
自然の神秘に触れてみる
今はコロナ禍なので辛いところですが、僕は旅行が大好きです。
昨年はコロナが流行する直前の1月にカナダのイエローナイフにオーロラを見に行きました。
オーロラを見るのも、-30℃の世界を経験するのも、犬ぞりを体験するのも、すべて初めてのことでした。
もし僕がこの旅行をせずにセミリタイア生活に突入していたら、たぶん一生オーロラを見ることはなかったでしょう。
「人生で一度は見てみたいもの」ランキングなどでよく挙げられるオーロラ。いつか自分も見てみたいなぁ…(まぁ無理だけど)という切ない感じで生涯を終えていたに違いありません。
別にオーロラを見たことで地球と宇宙の神秘に触れて、自然と涙が溢れ、自分のちっぽけさに気付き価値観が変わった…とは言いません。
なんなら
あっ、ふーん…(なんか白いモヤが降ってるだけで薄い雲みたいなもんだな)
くらいの感想でした。
※カメラのレンズを通すと緑色に見えました。肉眼で緑色に見えるのは相当強くオーロラが出ているとき(オーロラ爆発)くらいです。
ですが大切なのは、自分で経験したという事実であり、その実体験からくる感想を持っている、「こういうものだ」ということを知っている、ということだと考えています。
実際に経験していない人が言う「あんなの大したことねーよ」と、実際に経験した人が言う「あんなの大したことねーよ」には、天と地ほどの差があります。
上質なサービスに触れてみる
また、去年の夏には高級ホテルチェーンであるリッツカールトン東京のクラブラウンジ付きの部屋に宿泊してみました。
社会人1年目、最初の研修で研修担当の社員に「サービス業で働いていくなら、一度でいいからリッツカールトンに泊まりなさい。サービス業とはどういうものかがよく分かるから」と言われたのをよく覚えています。
それから十数年してようやく泊まったわけですが、いや確かに、「日本のオモテナシここに極まれり」といった具合でえらく驚愕しました。
スタッフの方々は大勢いらっしゃいましたが、(なんでみんな俺の名前知ってるの?)(俺の思考を読み取って行動してるの?)(なんでそんなに優しくしてくれるの?ママなの?)とついつい甘えん坊のダメダメな36歳になってしまうところでした。
と、まぁ至れり尽くせりなサービスだったのですが、1泊もすると気を掛けていただいていることに恐縮し過ぎてしまって
アッ、いやもう大丈夫っす
みたいな感じになってしまいました。
結果的に「ある程度ほったらかしにしてもらったほうが僕にはちょうどいいや」という結論になってしまったのですが、これも「こういう世界がある」ということを経験していなかったら一生理解し得ない感情でした。
「足るを知る」のは大切だが、経験しないと知り得ない
もしオーロラを見ることなくセミリタイアをしていたら、まだ見ぬ神秘の光景に思い焦がれ、もはや見ることの叶わぬ自分を嘆いていたかもしれません。
リッツカールトンに泊まることなくセミリタイアをしていたら、手厚いホスピタリティにかえって疲れてしまう自分を知る由もなく、いつかはVIP扱いされたいなぁなんて無駄な願望を胸に生き続けていたかもしれません。
上記2つの経験をしたからこそ、綺麗な夜空を見たければ山奥で空を見上げれば十分だし、高級ホテルに泊まらなくてもコンビニでお菓子を買い込んで安いビジネスホテルに泊まれば十分にテンションが上がることを、強がりではなく理解しています。
世の中で贅沢とされていることなんて、やってみると意外と「こんなもんかぁ」で終わることが多いのかもしれませんよ。
大切なのは、安定した収入があるうちにできる限りやりたいことをやって、セミリタイア後の世界に後悔を残さないこと
セミリタイア後は倹約に励まなければならない時もあるでしょう。
そんなときに惨めにならずにすむためには、セミリタイアを後悔しなくてもすむためには、この生活が自分にとって身の丈に合っているんだと思い続けるためには、これが一番のポイントだと思っています。
お金をかけた経験をすることによって、それを「最高だぜ!」と思えたならば、それを活力にしてセミリタイアを目指すことをやめてもいいわけですしね。
セミリタイアまでにしたい10のこと
そんなリストを作ってみるのはどうでしょうか。
それらの項目をやりきったとき、それでもセミリタイアしたいと思えたのなら、きっと後悔しないセミリタイア生活を送れるような気がします。
オーロラを見るリッツカールトン東京に泊まる- 星野リゾートに泊まる
- ビジネスクラスでロンドンへ行く(ANAのThe Room)
- グランクラス(新幹線の高級座席)に乗ってみる
- 両親を温泉に連れていく
- 立山登山
- プレミアムシートで映画を見る
「10のこと」と言いつつ8で力尽きました。
お金がかかることを中心に考えてみましたが、意外と出てきませんね…。旅行が好きなので旅行系が中心ですが、コロナ禍だと厳しいのも辛いところ。
飛行機のビジネスクラスとかずっと乗ってみたいんです。
実際に乗ったら「なるほどこういうもんか」くらいの感想しか出てこない気がするんですけど、しつこいですが「ビジネスクラスに乗った」という経験をもった状態でセミリタイア生活に突入することに意味がある。
皆さんはセミリタイア前にしておきたいこと、ありませんか?
後悔のないセミリタイア生活を送るために、今のうちやりたいことはやっておくのをオススメします。